歴史ざんまいブログ

歴史本を中心におもしろかった本をUPしていきます。どうぞよろしく!

歳月 司馬遼太郎

 

新装版 歳月(上) (講談社文庫)

新装版 歳月(上) (講談社文庫)

 

 

 

新装版 歳月(下) (講談社文庫)

新装版 歳月(下) (講談社文庫)

 

 もう何回読み返しただろうか・・・きっかけは家の書庫にあったのでたまたま手に取ったのだが、当時は高校生だったため、正直<江藤新平>という人物も知らず、同時代の新撰組坂本龍馬などと比べると地味な人物で最後まで読めるか不安だったが、結局はこんな偉人がいたのかと感動したのを今でもはっきりと憶えている。

 

あらすじは、江藤が脱藩し幕末の京へ現れてから藩命により蟄居、その後明治政府に仕え初めての司法卿として日本の法整備に着手し、その後征韓論に敗れ佐賀の乱により死亡するまでの激動の人生が描かれている。

 

間違いなく日本の近代化の立役者の一人で、余人が敵わぬ才能の持ち主でありながら、どこか抜けていて欠点があり、しかしそこが魅力でもある人物に描かれている。

特に宿敵・大久保利通との政争は命をかけた男同士の戦いであり、同タイプの人間がいかに共生が難しいかが表れていていて興味深い。